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ディズニーランドを科学する

ディズニーランドを科学する
講師:山口有次さん(桜美林大学教授)

やまぐち・ゆうじさん
桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授。早稲田大学理工学研究所客員講師。立教大学観光学部兼任講師。
平成2年から現在まで『レジャー白書』(日本生産性本部)の執筆に携わる。
著書に『ディズニーランドの空間科学~夢と魔法の王国のつくり方~』(学文社)など。

不況にも負けず、高い人気を誇る東京ディズニーリゾート。その人気の秘密をレジャー施設の専門家、山口さんにハードの面から解説していただきました。

コントロールされた回遊性

人は本能的に左回りになりやすい法則があります。人間の心臓はわずかに左半身にあるので、それをかばおうとして左回りになると言われています。運動場のトラック、野球のベース、スケートのリンクなどが、左回りになっていることもこ
のことと関連しています。  
しかし、ディズニーランドではパークに入ると左に過去、奥に空想世界(現在)、右に未来のエリアを置くことで、あえて過去→現在→未来という右回りを作り出します。そこに、人間の生理的な左回りが加わり、合わせるとほぼ均衡な回遊になります。
これは、お客様の回遊をあえて分散させることで特定のエリアに人が集中することを避け、混雑を緩和することを意図していると山口さんは指摘します。

ディズニーの色彩効果

山口さんの研究によると、東京ディズニーランドの場合、駅や駐車場からパークの入り口までは目立つような色を控え、配色を少なくして明度を抑えています。一方、パーク内では明度を高くし、パーク内を進むにつれて配色も増えていきます。このように、到着してから入り口に来るまでに徐々に気分が盛り上がるように、ストーリー性を考えて設計されています。お客さんは何も考えずに行動しているようですが、実は緻密にコントロールされていたのです。
こういった色彩の使い方は、ディズニー社が映画で培った技術が応用されているそうです。

ディズニーランドでお金をつかってしまう理由

09年度のデータによると、ディズニーでお客様が使うお金(チケット代+物販飲食)は1人平均9,719円です。現在はチケット代(1人平均4,222円)よりもパーク内で使うお金(1人平均5,498円)のほうが多くなっています。決して安いとは言えないおみやげをどうしてたくさん買ってしまうのでしょうか。
これは日本の「みやげもの文化」もあるようですが、それに加えてパーク内ですぐ使えるグッズを多くそろえているのも大きな理由のひとつだそうです。
山口さんは、「パーク内での行動がグッズと結びついているのが、商売上手」と言います。夜のパレードでの光るグッズや、キャラクターの耳のついたカチューシャなど、パーク内での流行を作り出すのがうまく、お客様もついついグッズを買ってしまいます。また、日本人特有の大衆意識の中で、「私だけ○○を持っていないのは恥ずかしい」という気持ちから、本当に必要ではないものまで買ってしまう面もあるようです。
                       
ディズニーだけが成功した理由

ディズニーランドの成功を受け、またバブルの影響もあり、1980~90年代、多くのテーマパークが日本中に建設されました。しかし、そのほとんどが失敗に終わりました。
なぜディズニーだけが成功したのでしょうか。山口さん曰く、ひとつは「多くのテーマパークはディズニーの外観をなんとなく真似ただけで、思想、理論が入っていなかった」ということです。形は同じでも内容が伴わなかった、ソフト構築ができていなかったという問題です。
そして、もうひとつは「ディズニーは大人向けにつくられている」ということです。09年度、入場者のうち70%以上が18歳以上です。「遊園地=子供だましではなく、大人も魅了することで、多くのリピーターを獲得し、すべての年代からの支持を受けた結果、現在もその人気が続いているのではないか」とのことです。ディズニーにとって少子化はさほど影響を受けないだろうというのが山口さんの考えです。
また、超高齢社会の中で「これからは高齢者向けのプログラムをもっと充実させていく必要があるだろう」ともおっしゃっていました。

この他にも、当日はここに書ききれなかったエピソードを多数の写真を見ながらたっぷり語っていただきます。どうぞお楽しみに。  

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